そしてバトンは渡された
若かりし頃、自分が読む小説はどんどん購入していました。
結婚して子どもが生まれて、
息子たちが幼いころに近所に図書館ができて
読み聞かせの本をよく借りるようになりました。
そうして図書館通いが始まった頃から
自分が読みたい本も借りることが多くなり今に至ります。
さらにここ1,2年は物を増やさないようにして生活しているため
購入する本は年に数冊です。読んだ本の中で手元に置いておきたいものだけ。
というわけで読みたいなと思った本はまず図書館にリクエストを出してじっと待ちます。
すぐ順番が来るものもあり、
予約しているのを忘れてしまうほど待たされるものもあり。
2019年の本屋大賞だったかな?
好きな作家さんの一人。
瀬尾まい子さん。
ようやく順番が回ってきましたよ。
父母がなぜか複数存在する女の子のお話。
複雑な家庭環境なはずなのに、どこか明るくからっとしていて優しさが満ち溢れています。
タイトルの「バトン」とはそんな彼女の「親権」を
ちょっとずつ風変りな父・母が大切に大切に引き継いでいく。
そんな様子が瀬尾さん得意の美味しそうなお料理(決してお洒落なものではない、家庭料理)の描写を織り交ぜながら
語られていきます。
「親になるって、未来が二倍以上になることだよ」
「明日が二つにできるなんてすごいと思わない?」
親になったことで自分が子供のころ楽しんだイベント(クリスマスやお誕生会とか)や
悲しんだ出来事(ペットの死とか転校してお友達と別れるとか)
そんな経験を改めて子供の数だけすることができました☺
そんなことを思いださせてくれて
母親にしてもらえてよかったな。と優しい気持ちに落ち着いた読後感でした。
・・・・相変わらずの部屋の散らかしを見るまでは(笑)