長雨の音を聞きながらページをめくる
会社の所属チームの今年度目標は
有休の完全消化。
コロナ渦で旅に出ることもできませんが
平日のどこかでちょこっと休暇を取り
のんびりと過ごしています。
というわけで本日有給休暇でした。
あいにくの大雨で外歩きもできないので
雨音をBGMに読書。
物が消滅し続ける島。
哀しみをたたえながら淡々と消滅を受け入れる主人公の女性。
彼女を見守るおじいさんの暖かくてやわらかい言葉と物腰。
消滅したものの記憶を持ち続け追われる人々。
記憶狩りの秘密警察。
アンネの日記を思わせるような編集者の隠れ家生活や
警察に連行される子供の鮮やかな手袋の描写。
どんどん追い込まれ、終わりが近づき重苦しいはずなのに
不思議な透明感で描かれています。
ラストは消滅がもたらした想定外の開扉でした。
満足感の大きい1冊に巡り合え
長雨の過ごし方としては悪くないかな。
☆私的小川洋子さんの好きな小説☆